HTML5 (と関連WD) 更新

もうWDだそうと思っても出せないんじゃないかなあ、と思ってたんだけど、(まあまあ)無事に出せたようです。

The HTML Working Group has published ten updated working drafts:

There is a comprehensive list of the changes made to the HTML5 spec since publication of the previous HTML Working Draft (May 2011). Most of the changes are fine-tuning refinements rather than major new additions, in keeping with the progress of the specification toward greater stability, and transitioning toward an upcoming Candidate Recommendation draft.

Second Last Call扱いではないのね。CRに進むならもう一度LC通らないといけないような…どうなんだろう。

変更点はいつものとおりにhtml5-diffsにまとめられている。今回からWHATWG HTMLについても触れるようになっていたりする。
気になってるのはこのへん。

  • translate属性追加
  • <script>beforescriptexecute, afterscriptexecuteイベント追加
  • Scoped stylesheetsのために@globalルール追加
  • <form>:valid/:invalid適用可能に
  • AppCacheのMIMEを設定する必要がなくなった
  • <time>要素の定義が変更に(durationも書ける。日付と時刻を分けるTがなくてもよくなった。pubdate廃止。)
  • <th>, <td><header>, <footer>, sectioning content, heading contentではないflow contentを許容するように
  • イベントコンストラクタの導入でいくつかのinit*Event()が削除
  • <link rel="shortcut icon">がconformingに(これまでは<link rel=icon>だけだった)
  • setInterval()setTimeoutとおなじく4msでclampするように(これまでは10ms)
  • <object>typemustmatch属性導入
  • <img>, <video>, <audio>crossorigin属性導入
  • CanvasPixelArrayが廃止され、ImageData.dataUint8ClampedArray
  • Editing関連がHTML Editing APIsに移動
  • UndoManagerがUndoManager and DOM Transactionに移動
  • いくつかのDOMインターフェース(HTMLCollection, DOMTokenList, getElementsByClassName(), createHTMLDocument(), id)がDOM4に移動

とくにDOM4への移動は、仕様読もうとして「あれ…ない…」みたいなことがたまにあるのでみんな注意しよう。

pubdateの廃止は「いや要るだろう」って声をちょこちょこなぜだか見るけれど、もともとAtomへの変換に使われるために設けられてたようなものなので、Atom変換アルゴリズムが削除されたら必要ないという。ただ、WHATWG版には残ってるねえ。なんだろう。
記事のメタデータなんかを詳しくつけたい人はschema.org/Articleschema.org/UserCommentsの方がよいかなとは思う。

あ、あと最近Canvas APIに追加されたいろいろは入ってない。<data><a download>も入ってない。お察しください。