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WebプラットフォームのこれからとExtensible Web

Standards W3C

この記事はFrontrend Advent Calendar 2013の8日目の記事です。

昨日岐阜県にてHTML5 Conference 2013 in Gifuというイベントがありまして、そちらでWebプラットフォーム動向についてお話させていただきました。スライドはこちら。

相変わらずふんにゃりした話しかできず心苦しい。

Extensible Webが実行に移った2013年

今年はOperaのWebKitChromium移行Blink登場IE11で互換機能を非推奨に、など、ブラウザの動きが大きくて、あまりWeb標準周りで大きなニュースがなかったように思います。あったらあったで面倒なんですが(たぶん良いニュースはない)。ただ、思ったよりずっと動きが速いなと思ったのが、Extensible Web関連です。

「低レベルなのモデル・APIをつくり、高レベルな機能はその上で表現可能とする」というのがExtensible Webの基本的な考えと認識してますが、その構想が動きを伴って大きく進められたような気がするなと思いました。Service Workersのハイプ化や策定中のPromisesを導入したAPI仕様の登場とかとかを見ると、とくにそう感じます。また、Polymerに見られるWeb Componentsまわりのスタックを一部Prolyfillとして実装する取り組みなど、実践しはじめているのも見られます。とくにProlyfillによる試験実装は、これからのWeb開発・標準化において一つの側面となるのではないかと思っていて、注目しています。

マクロな標準化とミクロな標準化

スライドの中で、こうしたExtensible Webなアプローチが進むことにより「ミクロな標準化」が出てくるのかなと予想を書きました。マクロ・ミクロという言葉の使い方がしっくり来ないまま使っているのでまだもやもやしてるのですが、標準化団体による標準化を「マクロな標準化」、Web開発者コミュニティによる高レベルAPIの開発・普及活動を「ミクロな標準化」と呼んでいます。

低レベルなAPIに集中しようという流れの背景は、高レベルなAPIを定義しても実装においてそのモデルや低レベルなところをさらう必要が出てくる、それをしないとしょうもない機能になってしまう(例:AppCache)ことへの反省がひとつ、そして「すべての望みは標準化によって解決するものではない」という認識の改めがもうひとつあるのかと思っています。ある意味標準化団体が「投げた」のかもしれません。

とはいえ、低レベルなところを作ってくれるおかげで、高レベルなものは表現しやすくなるでしょう。相互運用性も高まるのではないかと期待しています。さらには開発者が作った高レベルな機能が広まった際には、それを「マクロ」側で標準化することもそれなりに容易いのかと。コードが仕様になりますから。

ミクロな標準化とやらがjQueryなどとどう違うのかですが、標準化団体との関係が違うかなと考えてます。高レベルなAPIが作られることをふまえた低レベルなモデル・APIという方針があることで、標準化団体へのアップストリームというパスができたことが大きなことだと思っています。これまで開発者と標準化団体・ベンダーはどうにも接点があるようで弱くて、あまり協力して標準化という流れにはなってない印象があります。これが短期的に変わるとは思いませんが、開発者が自分たちの欲しい機能を作れるというオプションが用意されたので、変な摩擦が少なくなれば健康的かなと。

低レベル指向の落とし穴?

懸念があるとするならば、まず表現においてはExtensibleな部分が少ないというところ。ええと、CSSでの低レベルなモデルが存在していないこととCSSOMが貧弱ということでしょうか。CSS Grid Layoutあたりが来ればもうちょっと良くなるのかとは思っていますが(Blinkでちまちま実装が進んでいるのも、Extensible Webのひとつとして考えてるのかなと)。

あとは、高レベルな機能の設計ができる人がどれくらいいるのかというところ。Web Componentsなどでオレオレな要素やコンポーネントが定義できるようにはなるのでしょうが、jQueryのように広く普及するようなくらいのものが出てくるのか、作れる人がいるのか。高レベルな機能の開発者が不在なのに低レベルなものに終始すると、それはそれでWebの発展を妨げるかなと。

とはいっても、Appleのように高レベルでdeclarativeなのが好きなところもあるので、これから出るものがすべて低レベルでimperativeというわけではないと思いますが。

おわりに

なんだかスライドの反芻しかできてない気がするので、とりあえずここで一旦切ります。Extensible Webについては、TAGと新しいGoFの登場、Layeringという考えの提唱、Extensible Web Manifestoなどの登場などいろんな契機があったのですが考えがまとまらず書けなかったので、ようやく書けたのでうれしいです。といっても、まだまとまってないところもあるし、うまく説明もできてないですが……

PromisesやService Workers, Web Componentsなど個々の技術についても、ぼちぼち何か書いていきたいですね。とくに今はWeb Componentsと静的なWebサイトの部品、文書構造との関連についていろいろ気になっているところです。ではでは。